「荒地を緑に変え、命の水で人びとを救った医師」、中村哲さん。
こちらの伝記まんがでは、幼少期に始まり、パキスタンでのハンセン病患者の治療、アフガニスタンでの水路づくりへ至る、献身の人生が描かれています。
題：学習まんが 世界の伝記NEXT『中村哲』
まんが：二尋 鴇彦 シナリオ：和田 奈津子 監修協力：ペシャワール会
初版：集英社 2023年
中村哲さん。
その考え。行動。一生。
尊敬せざるを得ません。
泣きました。
どうして良い人が早く天に召されるのでしょう。
中村哲さんは、知人の知人くらいの方であり、生前からお名前は聞き及んでおりました。
パキスタンでも、アフガニスタンでも、日本でも、皆に尊敬されていたようです。
事件を知ったときは大きな衝撃を受けました。
命をかけたその功績を伝え、継いでいくことが、医師の平安を祈ることになるのかもしれません。
本書は、小学生のお子さんたちへ贈り物にしましたが、大人にも重要な読み応えがあります。
昨今は本人と似ても似つかぬアニメキャラ化された文豪や歴史的人物のイラストが目立つようですが、その中にあってこちらの中村哲さんは、わりと実物に即した描写になっているのではないでしょうか。
まんがの展開や表現も、まじめすぎずふざけすきず、好感をもてる構成でした。
たしかな画力で、素直に沁みる作品です。
また、複雑な社会背景はコラム解説になっており、スキップすることも詳しく知ることもできるので、レベルに応じて抵抗なく読みすすめられそうです。
あわせて気になるのは、2022年公開のドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』。
実はまだ観ていないのですが、行かなければならないと感じています。
近いうちに、機会があれば、必ず。
劇場版「荒野に希望の灯をともす」予告編 ～中村哲医師 ドキュメンタリーの完全版～
