絵本で知る『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(ホセ・ムヒカ 述)

旅人文庫

2012年の地球サミットにおける、南米ウルグアイのムヒカ大統領による伝説のスピーチが絵本になっています。

題:『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
述:ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ
編集:くさば よしみ イラスト:中川 学
初版:汐文社 2014年

 

深刻化した環境問題を話し合うこのサミットで、ムヒカ大統領は、誰もが見てみぬふりをしている単純な真理を簡潔に、しかしそれゆえ印象深く、指摘したのでした。

 

貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、かぎりなく多くを必要とし、もっともっとほしがることである。

見直さなくてはならないのは、わたしたち自身の生き方なのです。

 

そう語るムヒカ大統領自身はというと、

「給料の大半を貧しい人のために寄付し、大統領の公邸には住まず、町からはなれた農場で奥さんとくらしています。花や野菜を作り、運転手つきの立派な車に乗るかわりに古びた愛車を自分で運転して、大統領の仕事に向かいます」(解説文より)

これほど言動が一致した政治家がほかにいるでしょうか?
世界がこんな大統領ばかりだったら、と願わずにはいられません。

ムヒカ大統領が現れた国、こんな大統領を国民が選んだウルグアイに、行ってみたくなります。
ウルグアイの人々は、ムヒカ大統領を愛称で「ぺぺ」と呼ぶそうです。

 

さて、こちらの絵本は子ども用にやさしく書かれていますし、人柄としても穏やかなイメージがありますが、ぺぺの半生は激しく過酷だったと知ったときは驚きました。
いずれそのあたりの背景を読んでみたいと思っています。

 

映画にもなっているようですね。

ドキュメンタリー映画
『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』(2020年)
予告編

この映画はAmazon Prime Video(DVD)にもあるみたいです。
ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ [DVD]

 

また、下記の汐文社公式ページでは、東京外語大で行われた講演会を視聴できるほか、ムヒカ氏とウルグアイの情報がまとまっています。
ムヒカさん特集ページ(汐文社)

 


 

給料の9割を寄付に回しているという「世界でいちばん貧しい大統領」、ムヒカ氏。

「カネのために政治家になったわけじゃないし、カネにはもともと興味がないんだ――」(「悪役」(汐文社刊)より)

ですって!

聞かせてやりたいね、どこかの国の議員に!

 

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