旅の荷物は極力減らしたい。
特に、ボディソープなどは重くてかさばる。
皆さん何をどうやって持って行っているんでしょう?
個人的にずっと紹介したかった旅アイテムが、ドクターブロナーのマジックソープです。
本当に長年愛用しています。
そのほか2種の石鹸を含め、旅に役立つポイントや使い心地を解説します。
De.Bronner’s Magic Soap
「ドクターブロナー マジックソープ」は、オーガニック好きで知らない人はいないであろう、ナチュラルソープ界の草分けです。Dr. エマニュエル・ブロナーによって、1948年に米国カリフォルニアで誕生しました。
これ一本!オールインワン
とにかく全身から服まで洗える万能ソープなので、旅の相棒に頼もしい。私は主に洗顔フォームとして、ふだんから自宅でも使用しています。
顔:泡立ちがよく、洗浄力が高くて、なめらかな手触りながらさっぱりとした洗い上がり。私はクレンジング剤は別で持参しますが、メイクも落とせるとされています。
体:日本国内ではどの宿もボディソープは置いてあることが多いものの、外国の安宿ではあまりありません。あっても肌に合うとは限らないので、ボディ用も必要に。国内でも、もしなければ洗顔と兼用できるので嬉しい。顔のついでに、あまった泡で首や腕まで洗えちゃいます。
髪:いわゆる石鹸シャンプーなので、弱酸性のリンスですすぎます。市販の石鹸シャンプー用のリンスやコンディショナーでOKです。ただ、私の髪は、石鹸シャンプーで洗うと少しきしむ……。土地の水質にもよりますが。それでも20代のときはこれで済ませていました。最近は、重量承知でシャンプー&コンディショナーは専用を持っていきます。短髪の方は洗顔の延長でいけるかも。
服:下着や靴下などちょっとした手洗いに。メイク用品も洗えるそう。洗濯機にも入れられた気がするのですが、日本公式では推奨されていないようです。まあ、がっつり洗濯する予定なら粉末洗剤のほうがコスパいいですし、コインランドリーはたいてい洗剤込みでしょう。洗濯洗剤を持っていくか迷う、たまに下着を洗う程度、といった場合に兼用できて便利。洗濯用に、軽い固形タイプを予備にするのも一案です。
そのほか、なんなら食器や掃除にも使えるそう!
オーガニックな品質
無農薬有機栽培の植物を原料としたナチュラルソープで、ココナッツやオリーブ、ホホバなどの天然オイルが主体です。「石油系界面活性剤や合成保存料、合成着色料、合成香料は一切使っていません」とのこと。数々のオーガニック認証を取得しています。
私がドクターブロナーを使い始めた2003年頃の日本では、オーガニック製品が市場に少なく、これだけの品質が満たされているのは感動ものでした。今ではオーガニックの高級コスメブランドなら増えましたが、高品質で手頃な価格を保持しているドクターブロナーは良心的だと感じています。
社会的公正のコンセプト
ドクターブロナーの特徴は、
・オーガニック
・フェアトレード
・動物実験なし
・環境保全
というエコロジカルな生産方針です。
ドイツのユダヤ人家庭に生まれたブロナーは、ナチス政権時に両親をホロコーストで失い、世界平和を願って宗教や民族を超えた「ALL-ONE」というビジョンを提唱したそうです。その思想は、「宇宙船地球号」などの言葉を用いて、ラベルにびっしりと綴られています。
あらためて日本公式サイトを確認すると、社会正義に対する熱い信念と、そこへ至るとてつもない経緯に驚きました。ブロナーさんの人生、ガンディとかエジソンの偉人伝みたい……。
映画になると思う。詳細は公式サイトでどうぞ。
公式サイト「ドクターブロナーの歴史」
https://www.drbronner.jp/history/
天然精油のアロマ
天然精油の香りにほっとして、アロマテラピー効果を期待できます。
全11種類のうち、私が使用経験のある香りの寸評は以下のとおり。
ラベンダー:迷ったらこれ、一番のお気に入り。旅先で興奮した交感神経をすうっと落ち着かせ、夜のシャワーを浴びながら副交感神経へと導いてくれます。安定のラベンダー。
サンダルウッド&ジャスミン:白檀のエキゾチック感。甘み少なめ、ウッディで個性的。私には二番目の推しだけど、好みが分かれるかも。
ローズ:甘いけれど、ローズというよりはキャンディのような。独特の甘み。
ティートゥリー:きりっと爽やかグリーンのイメージ。だけど、なぜかオレンジ色のボトル。オレンジはオレンジの香りではなくティートゥリーなのでお気をつけください!
シトラスオレンジ:元気が出そうな、想像どおりのオレンジの香り。黄色のボトル。ティートゥリーとお間違えなく。
アールグレイ:ベルガモットでレモンティーのような香り。そんなに強く香らないけれど、バスタイムがほんのりティータイム気分です。冬季限定のようです。
旅支度には
サイズの選び方は、顔&体用メインとして、1ヶ月の旅で237mlボトルを1本が私の目安です。
国内で1週間程度なら、洗顔用に59mlのミニボトルを1本。
海外で2週間なら237mlを1本にしますね。
形状は固形と液体があります。軽い固形タイプをふた付き石鹸ケースに入れて、ビニール袋にくるんで持ち運んだこともありました。でも、固形は溶けやすいんですよ。しかも安宿のシャワールームでは、石鹸ケースを置く場所がないことも多いのです。そうすると床に直置きするしかありません……。そのため液体ボトルを選ぶようになりました。しかし、やはり軽さの点では固形も捨てがたい場合があります。
取り扱いは、LOFTや東急ハンズ、たまにドラッグストアなど。お得なお店はないかと探してきましたが、どこも定価販売のようです。私はもっぱらAmazonで購入しています。実店舗で、香りを嗅いだ直感で買うことも。ほかのソープもときどき試しつつ、旅には今のところドクターブロナーの利用が最多です。
The Perfect Anchor
「ザ・パーフェクトアンカー」もドクターブロナーと同様、多用途に使える万能のオーガニックソープ。サイズや価格も同等です。違いといえば、洗浄力がドクターブロナーよりもマイルドな感じ。天然精油の香りが心地よく、「ブラックスプルースブレンド」は森のような清々しさでした。ドクターブロナーと悩んだら、肌質に合わせた洗浄力や、香りのラインナップを比較して選ぶとよいかも。
アレッポの石鹸
中東に行くならこれを使いたい。シリアの町アレッポ伝統の石鹸です。オリーブやローレルのオイルたっぷり、万能で全身しっとり洗えます。大きくて溶けやすい石鹸なので持ち運びが問題ですが、泡だてネットに入れたままケースにしまうとよいでしょうか。
いくつかの種類と商品名があり、日本では複数の会社が輸入しているようです。
アレッポのソープ ノーマル 【アレッポの石鹸職人からの贈り物 無添加 洗顔 石鹸 】
アレッポの石鹸については、友人が書いた下記の文章を読むと、その魅力が印象に残ります。私もいつかきっとアレッポに行って石鹸を使おうと夢をふくらませています。
こうして見ると、石鹸をめぐる旅、というのも面白そう。
石鹸ひとつに歴史あり、人あり、文化あり……、自由研究のテーマになりそうです。
参考: